特定社会保険労務士・アンガーマネジメントファシリテーター盛田の日々活動ブログ

東京都日野市で社会保険労務士、FP、アンガーマネジメントファシリテーターをしています盛田です。開業間もなく日々奮闘している記録ブログです。

労基法第33条とワクチン接種

おはようございます。

東京・日野市の特定社会保険労務士/アンガーマネジメントファシリテーターの盛田です。今日は6月29日火曜日。日野市は昨夜から雨が降っていて、今朝もパラパラ程度ですが、雨模様。この後、9時頃には上がるようですが、日野市はどんより低い雲に覆われています。朝は気温もあまり上がらないようで、事務所の窓からひんやりした風が入ってきて気持ちいいです。今日は午後から顧問先ではないですが、企業さんが来所予定。あとは算定基礎届の提出や今週行う顧問先での研修の準備など行う予定です。

 

昨夜、やっと医療系月刊誌の初稿を提出しました。コロナ禍での労務トラブルをテーマに約3,000文字程度ですが、テーマがアバウトな感じだったので、なかなか苦戦しました。2回シリーズなので、来月も苦戦しそうです(笑)。
その中で医療機関ではコロナワクチンの接種業務が入ることで時間外労働が発生し易くなること、今まで36協定を届出ていなかった医療機関では届出が必要なので注意を、みたいなことを書きました。ご承知のとおり、労働基準法では一日8時間、週40時間時間を超えて労働させる場合、週に1度の休日または4週間で4日の休日を与えることができない場合、時間外労働・休日労働に関する協定書(いわゆる36協定)を労使間で協定して、所轄労働基準監督署に届出る必要があり、これをしないと労基法違反となってしまいます。
ただし、労働基準法第33条では臨時の必要がある業務が発生した場合は、36協定を締結せずに時間外労働、休日労働させることができます。

第33条(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等)
災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において第三十二条から前条まで若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない。

この規程は東日本大震災や台風・地震などの甚大な被害を被った地域で利用される規定で、普段、我々社労士でも馴染みがないと言えます。厚生労働省HP(新型コロナウイルスQ&A)では、ワクチン接種の業務が、この労基法第33条に該当するかとの問いに対して、

ご質問については、新型コロナウイルスに関連した感染症への対策状況、当該労働の緊急性・必要性などを勘案して個別具体的に判断することになりますが、今回の新型コロナウイルスが指定感染症に定められており、一般に急病への対応は、人命・公益の保護の観点から急務と考えられるので、労働基準法第33条第1項の要件に該当し得るものと考えられます。
また、例えば、新型コロナウイルスの感染・蔓延を防ぐために必要なマスクや消毒液、治療に必要な医薬品等を緊急に増産する業務についても、原則として同項の要件に該当するものと考えられます。
新型コロナワクチンの接種の実施に関する業務についても、ワクチン接種は、新型コロナウイルス感染症の発症を予防し、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすために実施されるものであるところ、接種会場などが設けられ、迅速かつ大規模に接種が実施されるような状況下においては、原則として同項の要件に該当するものと考えられます。
ただし、労働基準法第33条第1項に基づく時間外・休日労働はあくまで必要な限度の範囲内に限り認められるものですので、 過重労働による健康障害を防止するため、実際の時間外労働時間を 月45時間以内にするなどしていただくことが重要です。また、やむを得ず月に80時間を超える時間外・休日労働を行わせたことにより 疲労の蓄積の認められる労働者に対しては、医師による面接指導などを実施し、適切な事後措置を講じる必要があります。

とあり、個別具体的に判断するもののワクチン接種の業務やマスクやワクチンを緊急的に増産する業務も臨時の必要がある業務とするとしています。そうすると、医療機関では36協定を締結せずに時間外労働を命じることができる訳で、そんなことも原稿に書きました。まぁレアなケースでしょうから、あまり詳細は書かず、詳しくは労基署に相談を、としていますが。。。

原稿を書くことで新たな疑問が生じ、それで深堀して学ぶことも多々あります。労基法第33条はまさにそんなケースでした。

 

原稿ではほかにワクチンハラスメント(ワクハラというらしい)についても書きました。ワクチン接種は当然ながら自己判断となり、強要するようなものではないこと、反面、安心して業務を遂行してもらいたいとの医療機関側の想いから接種を勧めること自体はダメではないこと、要は丁寧に節度を守って行うことが必要みたいなことを書きました。月刊誌が届く8月初旬だと今更な内容になっているかもしれませんが(汗)。

 

では、今日はこの辺で。また。

 

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